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2013年06月ニュー速VIP+115: 魔王「私が勇者になる……だと?」 【3】 (415) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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魔王「私が勇者になる……だと?」 【3】


1 :2013/06/02 〜 最終レス :2013/06/24
前スレが512を超えてしまいかけなくなってしまった様なので立てました
前スレは
魔王「私が勇者になる……だと?」 【2】
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1366599266/
です

2 :
わお、マジか
>>1

3 :
使用人「あ……」
側近「……最後なんだぜ、使用人ちゃん」
使用人「……」
側近「式が終わったら、魔王様はすぐに姫様とあの北の塔へ行くだろう」
側近「俺もついて行く。どうにか……魔王様を連れて帰って来ないとな」
使用人「……はい」
側近「多分、俺も一緒に……眠る事になるんだろう」
使用人「……」
側近「後は任せたぜ」
使用人「…… ……」
側近「返事は?」
使用人「……はい」
側近「ん。じゃあ、姫様の用意頼むな」
使用人「はい。でも……どうやって港街まで行くのです?」
側近「俺は魔王様と、ここから直接転移する。お前は転移石いくつか持って」
側近「……姫様と一緒に行け。お前は優秀だし」
側近「姫様を抱えて飛べるだろう」
使用人「……ッ 解りました。やってみます」
側近「大丈夫だ。ね……」
使用人「願えば、叶う。 ……すっかり、呪文みたいになりましたね」
側近「……そうだな。さて、姫様はもう寝てると思うし」
側近「使用人ちゃんも、今日はゆっくり休みなさい。あの馬鹿の相手は俺がするから」
使用人「……はい」
側近「使用人ちゃん」
使用人「はい?」
側近「泣くなよ?俺たちは泣いちゃいけない。悲しんじゃいけない」
使用人「……はい」
スタスタ、パタン
側近「悲しんじゃいけない、か……辛いね」

4 :
魔王「おや、使用人は?」
側近「休ませたよ」
魔王「……そうか」
側近「無理すんな……顔色悪いぞ。お前ももう休めよ」
側近「本当に、ずっと手を繋いでなきゃいけない状況とか、俺厭だぜ」
魔王「私も厭だ」
側近「だから!」
魔王「……解っている。明後日、と言っていたな」
側近「ああ。港街から……北の塔か」
魔王「……」
側近「魔王様?」
魔王「お前は、良いのか」
側近「他にどうしろって言うの。言いも悪いも……選択権無いでしょうが」
魔王「……しかし」
側近「美しい世界を守りたい、んだろう?」
魔王「……」
側近「俺だって、ヤダよ。俺が拒否したから世界が滅びました、なんてさ」
魔王「滅んでしまえば何も無くなる。そんな事考えなくても良くなるんだぞ」
側近「いや、だからってな……」
魔王「……すまん」
側近「謝るな。お前の所為じゃネェさ」
魔王「しかし……親父も、祖父も……きちんと、跡継ぎを作ったのにな」
側近「……腐った世界の腐った不条理、断ち切るんだろ?」
魔王「……」
側近「勇者様が魔王を倒して、みんなハッピーになる世界」
魔王「果たして……それは、美しい世界、なのか?」
側近「……」
魔王「人間は、良いだろう。しかし……」

5 :
側近「……考えても仕方ねぇ。俺たちにはこれしか方法が無い」
魔王「……」
側近「お前をそのままにすれば、世界は跡形も無く滅ぶ……かもしれない」
側近「勇者、てなもんに望みを託せば、世界は救われるかも、しれない」
側近「……どっちも、不確定な未知の世界だ」
魔王「……ああ」
側近「選べるのなら、どっちだ?後者なんだろ?」
側近「希望のある方を選ぶ、んだろう……なら、拒否権は無いさ」
側近「少なくとも、俺には……な」
魔王「……すまん」
側近「もう謝るな。ほら……休めよ」
側近「今暴走されるのが一番困るんだからな」
魔王「解ってる……お休み、側近」
側近「おう」
側近「……」
側近(腐った世界の腐った不条理、ね)
側近(……今の侭、ずっと続けば……否)
側近(もし、はあり得ない。魔王様に世継ぎが居ない以上)
側近(……この世界は、美しいのか?)
側近(本当に俺に、拒否権は無いのか?)
側近(勇者が、魔王を倒す……そんな世界)
側近(本当に……あるんだかな)フゥ
……
………
…………
船長「久しぶりだな、知人」
船長(相変わらず、花で一杯だな。どうして枯れないんだか……)
船長「エルフってのは……おかしな生き物だな」
船長「……悪いな。折角の式だ。殺風景じゃ、な……」プチ
船長(…… …… ……)プチ、プチ

6 :
船長(水色の、花……小さくて可愛いな)プチ
船長(娼婦に……)プチ
船長「良し。もう……良いか」
船長(これ以上は持てないしな。船まで戻る間に、魔物に襲われちゃたまらネェ)
船長(ここらで引き上げるか)スタスタ
船長(……娼婦)
船長(……)ブンブン
船長「チッ ……らしくネェぜ」
船長「ん?」
海賊「オラ!怠けんな魔法使い!」
魔法使い「痛ェ!蹴らないでくれよ!」
海賊「サボってるからだろ!」
魔法使い「体力、体力が……」ブツブツ
女海賊「おい!あっちの掃除は終わったぞ!」
海賊「じゃあ、こいつ手伝え!」
女海賊「……お前、まだやってたのか!?」
魔法使い「うるさい!」
船長「…… ……」
船長(何言われるかわからん。声かけるのはやめとくか)
海賊「お、船長おかえりなさ…… ……」
船長「……似合わネェのは解ってら!」
海賊「あ、いえ、その……いえ」プフ
船長「……ッ さっさと船出せ!」
海賊「あ、アイアイサー!」

7 :
……
………
…………
神父「ああ、お帰りなさい盗賊さん……鍛冶師さんも一緒ですか」
盗賊「悪いな、神父さん遅くなっちまって……」
神父「いえいえ。大丈夫ですよ」
鍛冶師「娼婦ちゃんは……どうだい?」
神父「今はぐっすり休まれていますよ」
盗賊「そっか……良かった」
神父「もう夜も更けましたし……私は、これで」
盗賊「うん。ありがとう……神父さん」
神父「いいえ……では、おやすみなさい」
パタン
鍛冶師「……本当だね。ぐっすり眠ってるみたいだ」
盗賊「あの魔除けの石作ってから急に、な……体調、崩したからさ」
鍛冶師「魔除けの石?」
盗賊「……魔王の魔力の暴走、だっけ。なんだっけな」
盗賊「何しか、押さえる為に、って……」
鍛冶師「娼婦ちゃんは、魔王が好きなんだよね」
盗賊「ああ」
鍛冶師「……勇者様、だもんな。解らなくは無いけど」
盗賊「……」
鍛冶師「女剣士も、側近が好きだって言ってたし」
盗賊「……吃驚したぜ」
鍛冶師「そっちの話の方が吃驚したよ」
鍛冶師「ある程度、さ。聞いてたけど……」
盗賊「……知りすぎだ。俺たち」
鍛冶師「え?」

8 :
盗賊「そりゃ、一番最初に首突っ込んじまったの、俺なんだけどさ」
鍛冶師「……」
盗賊「知らない方が、幸せって事だってある、んだな」
盗賊「……いや。使用人にも言われたよ。もし、とか。あの時……とか」
盗賊「考えても仕方無いんだ、ってさ」
鍛冶師「そう、だね」
盗賊「……なあ」
鍛冶師「ん?」
盗賊「お前、もう家は決めたのか?」
鍛冶師「ああ、ううん……荷物はありがたくここに置かして貰ってるけど」
鍛冶師「当分はまだ宿暮らしだな」
盗賊「金が貯まる迄?」
鍛冶師「……いや、うーんと」
盗賊「?」
鍛冶師「あの、さ。船長から聞いたんだけど」
盗賊「ん?」
鍛冶師「……町長にはならない、んだって?」
盗賊「ああ……そりゃな。俺、そんな器じゃネェもん」
盗賊「今はどうしようも無いから俺がやってるけど」
盗賊「落ち着いたら、きちんと町長選出してさ」
盗賊「……やっと、元の生活に……あ!」
鍛冶師「?」
盗賊「も、もう盗賊まがいの事はやんねーよ!?」
鍛冶師「ああ……それは心配してないよ」
鍛冶師「えーとね……」
盗賊「?」

9 :
鍛冶師「……僕、さ。この街、気に入ってる」
鍛冶師「盗賊が居るからってのもあるけど、前も言った様に、さ」
鍛冶師「本当に、振られても此処には住もうと思ってたし」
盗賊「う、うん」
鍛冶師「……あの。さ」
盗賊「何だよ!ハッキリ言えよ!」
鍛冶師「……落ち着いたら、で良い」
鍛冶師「僕と、始まりの街に……引っ越さない?」
盗賊「…… ……はぁ!?」
鍛冶師「船長が言ってただろう。いずれ、あそこの街も。城も……って」
盗賊「だ、だからって……何で!?」
鍛冶師「盗賊がこの街に思い入れがあるのは解ってるよ。念願叶った、んだろうし」
鍛冶師「でも……その、姫?さんだっけ。その、子供のためにもさ」
鍛冶師「……知人も、眠ってるんだろう?」
盗賊「!」
鍛冶師「彼の墓も、守っていかなければならないだろう」
鍛冶師「も、勿論、僕個人でどうにか出来る話じゃないけどさ!」
鍛冶師「盗賊の行動力があれば、何とか出来ると思うんだ!」
鍛冶師「……いきなり住むとか、そんな事は決めなくて良い」
鍛冶師「でも……そうだな。一度、一緒に行きたい」
盗賊「鍛冶師……」
鍛冶師「清浄な土地、なんだろう。単純に興味もある。隠さずに言うよ」
盗賊「……うん」
鍛冶師「な、なんか先走って一杯言っちゃったけど」
鍛冶師「……落ち着いたら、一緒に行こう?すぐ近くだし、さ」
盗賊「うん……解った」

10 :
鍛冶師「ありがとう……」ホッ
鍛冶師「じゃ、じゃあ帰るね。あんまり騒いだら、アレだし」
盗賊「あ、ああ……そう、だな」
鍛冶師「……ありがとう、盗賊」
盗賊「何がだよ」
鍛冶師「大好きだよ」チュ
盗賊「あ、な、なな……ッ」カァ
鍛冶師「そ、そんな吃驚しないでしょ。ほっぺじゃん」
盗賊「……お、おや、おやすみ……ッ」ギュ
鍛冶師「お、あ、うん!」ギュ
盗賊「……」ジィ
鍛冶師「……」ジィ……チュ
盗賊「……ッ ……ン」
鍛冶師「また、明日」
盗賊「うん……」
パタン
盗賊「……」カァッ
盗賊(ちゅ、ちゅーしちゃった……ッ !!)
……
………
…………
神父「おや、おはよう御座います……早いですね、船長さん」
船長「おう。これを、な」
神父「これは……見事な。どこで摘んでいらしたのです」
船長「ちょっと……な。明日まで位なら持つか?」
神父「ええ……大丈夫、でしょう。多分」

11 :
船長「そうか……後、これ」
神父「……これは?」
船長「娼婦に。見舞い……だ」
神父「ご自分でお渡しになれば良いのに……」
船長「色々とやる事があるんだよ。それに……ガラじゃネェよ」
神父「……良いのですか?」
船長「何が、だい」
神父「……いえ」
船長「言ったろ。ガラじゃネェのさ」
神父「……」
船長「あいつの……心の中には、魔王しかない」
船長「……勇者様、には勝てネェよ」スタスタ
神父「……」
パタン
神父「神よ……」スッ
神父「どうぞ。光へと、お導きください……!」
……
………
…………
女剣士「おーい!船長!」
船長「あん? ……ああ、何だ女剣士か」
女剣士「教会の方はどうだった?」
船長「ああ……まあ、後は新郎新婦の到着を待つだけだろ」
女剣士「……ッ そうか……」
船長「お前は嬉しそうだな」
女剣士「……魔王と、姫……だったか。話は聞いた。さらっとだけど」
船長「……」
女剣士「喜んじゃいけないのか……な」
船長「良いんじゃネェの。脳筋なんだし」
女剣士「……やめてくれ」
船長「会いたかったんだろ? ……別に、自分の気持ち押しとどめる必要ねぇだろ」
船長「それに、めでテェ席だ」
女剣士「……ああ。そうだな」
船長「じゃあな。俺は船に戻る」
女剣士「あ、盗賊か鍛冶師知らないか?」
船長「しらねぇよ。街の中探し回ったら居るんじゃネェ?」スタスタ
女剣士「……なんだ、機嫌悪いな」

12 :
女剣士(明日、とうとう……側近に会える……!)
女剣士(……どうしよう、今から緊張してきた)
女剣士「やる事も一段落したし……素振りでも……ん?」
盗賊「あ、女剣士!鍛冶師見なかったか?」
女剣士「いや、見てないな」
盗賊「そうか……」
女剣士「ラブラブ、て奴か」
盗賊「な、何いってんだ!そんなんじゃ……!」
女剣士「……良いなぁ」
盗賊「明日……会えるじゃネェか」
女剣士「まあ、な。だけど……」
盗賊「……」
女剣士「世の中って、旨く行かないものだな」
盗賊「え?」
女剣士「……望み通りには行かないな、と思って」
盗賊「……願えば、叶う」
女剣士「……」
盗賊「会える、だろ?」
女剣士「ああ……だけど」
盗賊「だけど?」
女剣士「……いや。会えるだけでも良いと思わないとな」
女剣士「魔王と、姫は……」
盗賊「あれも……愛の形なのかな」
女剣士「え?夫婦なんだろ? ……あ、夫婦になる、か」
盗賊「まあ、そうなんだけどな」
女剣士「……やっぱ落ち着かない」
盗賊「え?」
女剣士「ちょっと素振りしてくる!昼過ぎには戻るよ!」タタタ……ッ
盗賊「あ、ちょっと!? ……ああ。もう」

13 :
盗賊「鍛冶師も居ないし……どうするかな」
街の人「あ、いた、盗賊ー!」
盗賊「ん?はーい!」
街の人「あっちの住居の件なんだけど……」
……
………
…………
鍛冶師「お、船長おかえり」
船長「鍛冶師? ……なんだ、どうした」
鍛冶師「……あれ、どうよ。あの小鳥」
船長「ああ。初めてにしちゃ上出来だぜ。やっぱり器用なんだな、お前」
鍛冶師「前にさ、緑の羽の小鳥を見ただろう」
船長「ああ……使用人の小鳥な」
鍛冶師「そうそう。あれ思い出してね」
船長「なんだ。態々感想聞きに来たのか?」
鍛冶師「まさか……昨日、さ。盗賊に始まりの街の事話したんだ」
船長「……おう」
鍛冶師「取りあえず、落ち着いたら……さ」
鍛冶師「一度、二人で始まりの大陸に行きたいんだけど」
船長「そうか……で、乗せてけ、て?」
鍛冶師「定期便が出てたら別に良いんだけどね」
船長「そうだな……俺も、落ち着いたら暫くは戻らネェつもりだ」
鍛冶師「え!?」
船長「……俺はそもそも海賊だぜ?」
鍛冶師「そ、そうだけど……」
船長「落ち着いたら……な」
鍛冶師「そう、か……」

14 :
船長「タイミングが合えば連れて行ってやるよ」
鍛冶師「ああ……ありがとう」
船長「それだけか?」
鍛冶師「あの二人は?」
船長「魔法使いと女海賊か……ずっと海賊共にこき使われてるよ」
船長「暫くして音を上げりゃ、放り出すまでさ」
鍛冶師「そっか…… ……」
船長「何だ?」
鍛冶師「……いや。そろそろ戻るよ。日が暮れちゃったら何も出来なくなっちゃう」
船長「ああ。明日は……早いだろうしな」
鍛冶師「……そう、だね。でも僕まで行って良いのかな」
船長「女剣士も来る気満々だし、良いんじゃネェの」
鍛冶師「そ、そっか……」
船長「じゃあ、また明日な」
鍛冶師「うん。あ……教会のお花、綺麗だったよ」パタン
船長「……神父さんめ、喋りやがったな」
……
………
…………
姫(『「魔王が蘇って久しい。前魔王が前勇者によって倒されてからも同じく、じゃ」』)
姫(『はい。少年は、小さく相づちを落とす。王はそれに気がついたのか否か』)
姫(『先ほどと同じ口調で、少年へと問いを向ける』)
姫(『「今日そなたをここへ呼んだのは……分かるな?」一気にそう告げると、王様は』)
姫(『満足そうに一つ、フン、と鼻を鳴らした。大きく迫り出した腹が、一回り大きく、上下した』)
姫(『少年はその恰幅の良い腹から、たっぷりの間を持ってゆっくりと王様の双眸へと視線を投げる』)
姫(『金の視線が、王様の円らな瞳を射貫く。少年は、ゆっくりと頷いた』)

15 :
姫(『「……必ずや、魔王を倒してごらんに入れます。この、勇者の印にかけて、必ず……!」 』)
姫(『少年は己が手のひらに刻まれた、剣十字の印をぐう、と握りしめる』)
姫(『王様は、うむ、と大きく、ゆっくりと皇帝の頷きを見せ、スゥと息を吸い込んだ』)
姫(『「……頼んだぞ、選ばれし者よ!」』)
使用人「姫様、出来ましたよ」
姫「ああ……ありがとう………」
使用人「……とても、お綺麗です」
姫「もう……行くのね」
使用人「はい。こちらの転移の気配を感じれば、魔王様達も飛ぶと仰ってました」
使用人「……本、お預かりしてよろしいですか」
姫「結局、殆ど読めなかったわ」
使用人「……そう、ですか」
姫「ええ……熱出しちゃったしね。勇者が旅立とうってとこまで」
姫「本当に、ほんの数ページよ」
使用人「仕方ありません……残念、ですけど」
姫「良いの。随分我が儘ばかり言ったもの」
姫「……これぐらい、良いのよ」
使用人「……魔除けの石は、お持ちになりましたか?」
姫「ええ。大丈夫」
使用人「では、掴まってください……行きます」
シュゥン……!
……
………
…………
魔王「……行った、な」
側近「お前本当にその恰好で行くの」
魔王「勇者っぽいか?」
側近「いや、全然。どう見ても魔王にしか見えない」
魔王「……白金の鎧は無かったからな」
側近「あの真っ黒けの奴は辞めて!まだそのズルズルローブの方がマシ!」
魔王「どっちもどっちなんだろ」
側近「まあ、そうだけども」

16 :
魔王「……私の剣は持ったか」
側近「ああ、此処にある」
魔王「良し……行こう、か」
側近「……おう」
魔王「……すまんな」
側近「もう良いって。もう謝るな」
魔王「……」
シュゥン
……オェ……
……
………
…………
スタッ
使用人「……姫様」
姫「うぅ……」
使用人「大丈夫ですか?」
姫「……平気。少し、酔った、かしら」
使用人「側近様みたいですね」
スタッ
魔王「……久しいな、姫」
姫「魔王……」
側近「……うぇぇ」
使用人「ムードが台無しです。側近様」
側近「悪かったね……!」

17 :
急速につまらなくなってきた
さっさと終わらせろBBA

18 :
使用人「教会はあちらです」
使用人「側近様、私達は後ろから……」
側近「ああ……なんか、俺こんな禍々しい剣持って」
側近「不審者みたいじゃ無いか……」
魔王「気にするな……姫、手を」
姫「ええ……」ギュ
魔王「大丈夫だ。娼婦の石はちゃんと持っている」
姫「……平気よ」
スタスタ……
ワアアアアアアアアアアア……ッ
盗賊「魔王!姫!」タタタ
姫「盗賊!久しぶり!」
魔王「積もる話は後で……だ。時間があるかは解らんが」
盗賊「……教会の中に皆居るよ。ほら、行って行って!」
キィ……パタン
姫「……まあ、お花が、一杯……!」
魔王「綺麗だな……」
コツコツ……
神父「どうぞ、前へ……」
魔王「魔除けの石を作った神父……か」
神父「粗方の事情は聞いています。言葉は必要無いでしょう」
神父「……お祈りなさい、お二人で」
姫「……ありがとう」
神父「祈りが終われば、顔をお上げなさい」

19 :
魔王「……」
姫「……」
神父「……二人を、夫婦と認めます」
盗賊「姫……良かった……!?」
鍛冶師「盗賊、どうした?」
盗賊「……花、が」
鍛冶師(急速に、枯れてる……!?)
鍛冶師(これが……魔王の魔力……!?)
姫「ありがとう、神父さん」
神父「……いいえ。では、どうぞご退場ください」
魔王「無茶を言ったな」
神父「……表で、娼婦が待っています。会って差し上げてください」
魔王「大丈夫、なのか」
神父「……」
魔王「…… ……側近、来い」
側近「ああ」
姫「……」
使用人「姫様はこちらへ」
姫「ええ」
パタパタ
女剣士「側近!」
側近「ん……え、お、女剣士!?何で、お前……!」
使用人「……女剣士さん。申し訳ありませんが」
女剣士「ちょ、ちょっと……!折角会えたのに……!」
使用人「時間がありません」ガシ
姫「……この人、は?」
使用人「……」

20 :
……
………
…………
魔王「久しぶりだな、娼婦」
娼婦「魔王様……お久しぶりです」
魔王(さらに痩せた、な……足下もふらついている)
側近「俺はここに居るけど……あっち向いてるから」フイ
娼婦「良かった、です。最後に会えて……」
魔王「最後、等と……」
娼婦「……いいえ」
魔王「……」
娼婦「不思議、ですね。お会いしたらアレを話そう……これを話そうって」
娼婦「考えてたのに……何も、出て来ません」
魔王「無理して話さなくて良いんだぞ。何時でも……また……」
娼婦「……お料理、教えて貰う約束、果たせませんでした」
魔王「……」
娼婦「……魔王様」
魔王「ん……」
娼婦「最後の最後で、役に立てたなら良かったです」
魔王「だから、お前……」
娼婦「……魔王様。好きでした」
魔王「……」
娼婦「愛し……て…… ま、す……」ニコ
魔王「娼婦……ッ」
側近「……」
魔王「……」

21 :
側近「神父……呼んでくるか?」
魔王「……お前は、離れるな」
側近「…… ……ほら、手貸せよ」
魔王「……」ギュ
……
………
…………
女剣士「離せよ、離して! ……側近と、話を……ッ」
使用人「聞き分けてください、女剣士さん!今は、駄目です!」
姫「……何なの、この人……」
盗賊「お、おいどうしたんだよ!」
鍛冶師「女剣士!?」
使用人「……姫様、魔王様が戻られました」
女剣士「側近!」
側近「……構ってやれねぇよ、今は」
魔王「行くぞ、姫」
鍛冶師「女剣士、こら!」
シュゥン……!
女剣士「側近!」
船長「おいおいおいおい!何の騒ぎだよ……!」
鍛冶師「あ、船長……!」
女剣士「うわあああああッ」
盗賊「……俺見てるから、鍛冶師と船長、あっち」
鍛冶師「……ああ」
船長「な、なんで女剣士は泣いてるんだ?」
鍛冶師「側近が、行っちゃった……から?」
船長「……糞ガキが」
鍛冶師「仕方無い……けど、ね」

22 :
船長「それより、娼婦は?」
鍛冶師「あ、さっき……魔王と向こうに」
鍛冶師「……そっとしておいてあげたら。神父さんが様子見に行ったみたいだし」
船長「そうか……」
鍛冶師「それより、さ……凄いね。魔王って」
船長「……花、か?」
鍛冶師「気付いてた?」
船長「そりゃな……見た目は何も変わってネェのにな」
鍛冶師「僕は初めて会ったけど……人間と何も変わらないんだね」
船長「そう……だな」
鍛冶師「……側近、て人が持ってたの何だったの?」
船長「ぼろぼろの剣みたいなの握ってたな」
鍛冶師「やっぱり剣に見えたよね」
船長「……いきなり目の色変わったな、お前は」
鍛冶師「じっくり見せて貰いたいけどさ」
鍛冶師「……それも、もう叶わないかな」
船長「さあ、な」
……
………
…………
盗賊「いい加減にしろよ!」
女剣士「だ、だって……だって……!折角、折角会えた、のに……!」
盗賊「お前な、状況解ってるんだろ!?」
女剣士「……わかって、る、けど……ッ」
盗賊「……使用人に言われてたんだろ。聞いてたんだろ!?」
盗賊「子供みたいな事、すんなよ……」
女剣士「も、もう……戻って、こない、の……か、なぁ!?」
盗賊「しらねぇよ……」
女剣士「側近……ッ」ウワアアァ

23 :
……
………
…………
神父「……娼婦、さん」
神父(悔いの無い顔、されていらっしゃるのが……唯一の救いですね)
神父「お疲れ様でした。どうぞ、安らかに……」
神父(……昨日、船長さんに頂いたお花……枯れてる)
神父「……神よ。どうぞ、光の導きを……ッ」
神父「皆に……話さなければなりません、ね」ガシ……ヒョイ
神父(軽い……力を失っていれば、重く感じる筈なのに)
……
………
…………
北の塔
シュゥン……スタ!
魔王「姫」
姫「……あ、待って、魔王!」
側近「おぅえぇ ……」
使用人「側近様、シッ」
姫「……」カチャカチャ……ス
魔王「これは……」
姫「貴方が、私にくれたペンダントよ」

24 :
魔王「……しかし」
姫「今……解放するわ」
使用人「解放?」
姫「元はエルフの力でしょう。大丈夫……」グッ
パァアア……
魔王「……む」
側近「ん……」
姫「ちょっと息苦しいかもしれないわね」
使用人「……凄い」
姫「……これで、もうそれは……ただのペンダントに戻ったわ」
魔王「姫、しかし……」
姫「良いの。その代わり……娼婦のその石を、頂戴」
魔王「これを、か?」
姫「ええ。娼婦の愛が詰まってるのでしょう?」
姫「魔王が私の無事を願ってくれるのならば」
姫「……きっと、効果があるわ」
魔王「そうか……そう、だな」
姫「……魔王」
魔王「何だ」
姫「今まで、ありがとう。我が儘ばかりで……ごめんなさい」
魔王「……良いさ。楽しかった」
姫「私もよ」
魔王「美しい世界で、美しい子供を産んでくれ」
姫「……魔王」
魔王「……」
姫「貴方は、れっきとした『勇者』だわ」
魔王「姫……」
姫「魔王でもあり、勇者でもある」
姫「……ありがとう」
魔王「……おやすみ、姫」ス……
姫「……」スゥ

25 :
魔王「……」
側近「……魔王様、済んだのなら……行こう」
使用人「ええ……何だか、息苦しいです」
魔王「……ぅ、う……」
側近「!? 魔王様!」
魔王「だい、丈夫……だ……ッ」
使用人「側近様、魔王様を、支えて……ッ」
魔王「……ッ」
シュゥン……ッ
スタ……ッ
魔王「……側近、済まない、私の……剣、を」
側近「あ、ああ!大丈夫だ。持ってる!」
側近「……使用人、早く外に出ろ!」
使用人「あ、は……はい!」バタバタ……ッバタン
側近「早く閉めて!」
魔王「側近」
側近「んァ!?」
ドンッ
側近「うわ……ッ」ゴロゴロ……ッ
使用人「……ッ 側近様!?」
バターン!
側近「!!」
側近「魔王様!魔王様!」ドンドン!

26 :
魔王「……扉は封印した」
魔王「眠るのは私だけで良い……もし、私に何かあった時」
魔王「……その剣と、その目で……頼んだぞ、側近」
側近「魔王様!」ドン!
側近「こら、お前……ッふざけんな!開けろよ!糞!」ドンドン!
側近「いっつもいっつも……ッ 面倒事ばっか、押しつけやがって……ッ」ドン!
使用人「そ、側近様!手、血が……ッ」
側近「……魔王様!お前……ッ 最初っからそのつもりだったのか!」
側近「魔王様!!」ドン!
側近「……ち、くしょう……ッ 結局、俺は……また、お前のおもり、かよ……!」
使用人「……魔王様……」
側近「ナァにが、頼んだぞ、側近、だ!」ドン!
側近「……糞、馬鹿野郎……!!」
使用人「……」

27 :
限界です。寝ますー
ついでにぱぱんが寝るまで待ってる間に書いた奴
BBAは絵心ないけどね……
おやすみー
http://imepic.jp/20130602/067590

28 :
おもしろっ
BBAの絵は天野喜孝みたいだなww

29 :
おはよう!
なんか船長も姫も娼婦も魔王も切なすぎる…
朝から泣いちまったじゃないか
BBAは無理せずに書いてくれよ
残りの人生読み続けたいので終わらせて欲しくない

30 :
拒否権はないの世界とそれほど時代は離れてないな
出てきた登場人物的に
>>1はホリック読んでるだろww

31 :
おはよー!
Rに拘束されてるorz
>>30
ホリックってクランプだっけ?
読んだ事ないなぁ
最近あんまり漫画読んでないや。

32 :
>>31
あれww
色々被り過ぎてるから、絶対読んでると思ったwwww

33 :
前スレ>>866より
ttp://s-up.info/view/201201/091848.png
頑張ってみたがこんなペースで合わせるのは無謀でござった。
嘘だろ……R頑張って進行を止めてくれよ……

34 :
>>33
すごすぐる……
いいぞもっとやれ

35 :
>>33
使用人かわゆす

36 :
>>33
クソ下手なボケはすっこんでろカス
お前のRーのせいで台無しじゃボケ

37 :
>>36
なに荒れてるのこいつ

38 :
それが好きな読み物スレに書き込む言葉かよ……何のための酉だと。

39 :
おはよー!
R放り込んだらつづきー!
>>33
すげぇえー( ゚д゚)
側近が強そう(笑)
何時もありがと!

40 :
待ってるよ!

41 :
側近「……」ドサッ
使用人「側近様!?」
側近「心配すんな……俺は何とも無い……ッ」
使用人「……」ガチャガチャ
側近「封印した、って言ってたろ……開かネェよ……ッ!?」パリンッ
使用人「!?」
側近「……割れた!?」
使用人「魔王様の剣……ッ あ……」
側近「違う。剣は無事だ……ぼろぼろだけどな。アレから変わっちゃ居ない」
使用人「……魔除けの石、ですね」スタスタ
使用人(全部……紫に染まって……!?)ボロボロ
使用人(持ったら、崩れる……)
側近「……使用人ちゃん」
使用人「はい」
側近「魔除けの石を集めて破棄しよう。もう……必要無い」
使用人「……私がやります。側近様は休んでてください」
側近「……」
使用人「貴方は、魔王様の目をお持ちです。どうかご無理なさらず」
側近「……悪い」
使用人「ついでに、姫様のお部屋を片付けて参ります」
使用人「…… ……失礼します」スタスタ
カチャ……パタン
側近「……ッ」ドンッ
側近「馬鹿、野郎ぉ……ッ ……ッ」
……
………
…………
神父「……」スタスタ
盗賊「あ、神父さ……ッ !? 娼婦、どうした!?」
神父「……お眠りに、なりましたよ」
盗賊「え……?」
神父「……」チラ
神父「船長さんと、鍛冶師さんは?」
盗賊「あ、ああ……あっちに……」
女剣士「……」
神父「呼んできてください……女剣士さんはどうされたのです」
盗賊「……こいつは、放っとけ」スタスタ

42 :
女剣士「……」
神父「褒められた態度ではありませんよ、女剣士さん」
女剣士「……」
神父「……」ハァ
神父「気持ちは解ってあげたいですが……」
女剣士「……」クル、スタスタ
神父「何処へ……?」
女剣士「頭、冷やしてくる」スタスタ
神父「……」
盗賊「神父さん!」タタタ
鍛冶師「娼婦ちゃん、寝ちゃったって?」
船長「疲れたんだろ……!?」
神父「……」
船長「…… ……」
鍛冶師「え、何…… ……ッ!!」
盗賊「……な、何だよ!寝てるだけなんだろ!?神父さん、早く……ッ」
神父「…… ……」
船長「……この、花」
神父「貴方がお見舞いにと持ってきてくれた物です。船長さん」
船長「枯れてる、な」
神父「……教会のも全て、枯れてしまっているでしょう」
鍛冶師「……見てきたの?」
神父「いいえ……ですが」
盗賊「おい!聞けよ、娼婦を早く……!」
船長「神父、娼婦をこっちに」
神父「え?ええ……」ス…
船長「……」ギュ… スタスタ
船長「着いて来い。船を出す」
鍛冶師「……」
盗賊「船長!せんちょ……!」
鍛冶師「盗賊」ギュ
盗賊「嘘だろ!?娼婦、娼婦……!?」

43 :
神父「……何処へ行くのです?」
船長「このままにはしておけないだろ」
神父「……」
鍛冶師「盗賊……」
盗賊「……ッ う、ぅ……ッ」ボロボロ
船長「乗れ」スタスタ
盗賊「ど、こ……ッい、くん……ッ だ、よ……ッ」
鍛冶師「……鼻拭いて、ほら」
神父「私もよろしいのですか」
船長「当然だろ」スタスタ
船長「……おい!船出せ!」
魔法使い「え、出港? ……! え、え!?」
女海賊「おいコラ!魔法使いお前…… あれ、何だよ大勢で」
魔法使い「!?」チラ、チラ
魔法使い「……えええええええええええ!?」
神父「こ、れは……」
盗賊「……しょ、 …うふ……に、そっくり……?」
女海賊「あン? ……前もそっちの兄ちゃんに言われたな」
女海賊「……寝顔は自分じゃわかんねぇけど、確かに似てらァな」
船長「油売ってネェでさっさと働け!」
魔法使い「あ、あいあいさー!?」
女海賊「あいよ……何処向かうんだ」
船長「……始まりの大陸だ」

44 :
つーか、BBAの絵に驚嘆したわw、やるなぁ

45 :
……
………
…………
使用人「……ふぅ」
使用人(集めるとは言っても、全てぼろぼろに……あの、神父さん)
使用人(確かに、徳の高い聖職者だったろうに)
使用人「……姫様」
使用人(…… ……)
カチャ
使用人「……?」
側近「使用人ちゃん」
使用人「ああ、側近様……大丈夫なのですか」
側近「何ともネェよ……終わったか?」
使用人「掃除は……終わりましたよ」
側近「この侭にしておくのか?」
使用人「……私と、側近様しか居ませんからね」
使用人「どちらでも……支障はありませんし」
側近「……そうか」
使用人「どうされました?」
側近「少し、話をしようかと思ってな」
使用人「何のお話、です?」
側近「……昔話だ」
使用人「?」
側近「茶の用意しとくよ。フランボワーズ、好きか?」
使用人「え、ええ……まあ」
側近「そうか」
使用人「……側近様が作られたのですか?」
側近「まあ」
使用人「……胃薬、持って行きます」
側近「酷い!」
使用人「冗談ですよ……あ、側近様、これお願いしても良いですか」

46 :
>>44
全部同じ顔になるよwww
アンパンマンとかなら上手よ!www
ありがと。はずかちぃわwww

47 :
側近「ん?ああ……別に良いけど」
使用人「姫様が途中まで読んでらしたんですが……」
側近「……これ、あれか。前後編でばらばらになってた奴」
使用人「ええ。書庫に戻しておいて貰えます?」
側近「……ああ。忘れてたな」
使用人「はい?」
側近「何でもネェ。んじゃ、食堂で待ってるぜ」
使用人「はい。片づけたらすぐに行きます」
カチャ……パタン
側近(約束……したな)
側近(神父と、娼婦……に、貸すって)
側近(…… ……)スタスタ。カチャ
側近「……随分綺麗になってるなぁ」
側近「えーと……ここか」トン、ストン
側近「……」ス、パラパラ……
側近「だから、なんで勇者が魔王を倒すお話が魔王城にあるんだよ」ハァ
側近「……」ストン
側近「昔話、か」ハァ
……
………
…………
船長「……終わったか?」
盗賊「もうちょっとだよ。てか、船長も……!」
鍛冶師「盗賊……僕たちだけで良いだろ?そっと……しといてあげなよ」
魔法使い「珍しく、呼んで、くれたと、おも……ッた、ら……ッ」ハァ
女海賊「喋ってないで掘れ!手、動かせ魔法使い……ッ」
女海賊「って、土かけんなあ!」
神父「……安らかな顔、でしょう。船長さん」
船長「……ああ」
神父「最後に、娼婦さんの願いは叶いました。だから……」
神父「……泣かないで、あげてください」
船長「泣いてネェよ、阿呆…… ……出ネェよ。涙なんて」
神父「……」
船長「そういうのは、盗賊に任せておけばいいんだ」

48 :
お買い物いってきまー
幼稚園から帰ったら今日はチョコレートケーキ作るんだと

49 :
盗賊「おい、女海賊!花無茶苦茶にすんなよ……良し!」
盗賊「……良いだろう、神父さん!」
神父「はい……さ、船長さん」
船長「ああ……」ヒョイ
船長「……土、冷たくネェかな」トン
神父「大丈夫です。それに……ここには、エルフの加護もあるのでしょう」
神父「知人さんの……」
盗賊「姫が殆ど持って行ったけどな。それでも……知人は、此処にいるんだ」
船長「知人の時も……こんな事、やったな。鍛冶師、スコップ貸せ」
盗賊「あ、ああ……でも……」
船長「……こんなに、花はは無かったけどな」ドサ、ドサ
神父「……」
鍛冶師「ほら、盗賊も……」
盗賊「……」ドサ、ドサ
魔法使い「はあ、はぁ……」グッタリ
女海賊「情けネェなあお前は」
魔法使い「俺は、こう、いうの……向け、じゃ、ない……の……」
神父「……それぐらいで、よろしいでしょう」
神父「娼婦さん。此処だと……寂しくないでしょう」
盗賊「娼婦……」グス
鍛冶師「……」ギュ
船長「お疲れ、さん……」
神父「神よ……どうぞ、娼婦さんに永遠の安らぎを……」
船長「……良し、戻るぞ」
魔法使い「キュ、休憩とか……」
女海賊「ちょっと黙っとけお前……」
船長「神父さん」
神父「はい」
船長「俺はこのまま、南に行く」
神父「南、ですか……港街には、寄られない、ので?」
船長「……ああ。仲間の船が一隻、一緒に来ただろう」
船長「定期便の運びは説明してある」

50 :
神父「……そうですか」
船長「送っていったら、そのまま発つわ」
盗賊「……もう行っちゃうのか」
鍛冶師「……」
船長「物資は定期的に届けるさ。盗賊、今のところ足りてるだろう?」
盗賊「それはそうだけど……寂しくなるな」
船長「俺は元々海の男だ。仕方ねぇだろ」
神父「南へ行って……何をされるのです?」
船長「珍しいモンでもあれば、一儲けできるだろ?」
船長「……ま、適当、だな」
神父「そうですか。くれぐれもお気をつけて」
船長「おう……さ、急ごう。陽が落ちる前には出発してぇしな」
……
………
…………
女剣士「…… ……」
女剣士(……解ってる。あんな事、するつもりじゃ無かったのに)
女剣士(側近……もう、会えないのか)
女剣士(…… ……)
ガサッ
女剣士「!?」
鍛冶師「……こんな所で何やってんの」
女剣士「鍛冶師……」
鍛冶師「探してたよ、盗賊。心配もしてた」

51 :
おーひーるごはーん!

52 :
女剣士にイライラしてしまうわー

53 :
女剣士「船……出て行ったろ」
鍛冶師「……娼婦ちゃんを埋葬しにね」
女剣士「え!?」
鍛冶師「君、それにも気がつかなかっただろう」
女剣士「あ…… ……」
鍛冶師「どうしても会いたかったんだろう事は解るけどさ」
鍛冶師「……それしか、解ってあげられないよ」
女剣士「……」
鍛冶師「もうすぐ夜だ。君も宿に帰った方が良い」クル、スタスタ
女剣士「あ……ッ」
鍛冶師「何?」
女剣士「……ご、御免……なさい」
鍛冶師「僕に謝っても仕方無いだろう?」
鍛冶師「……船長はもう出発したよ。明日からも仕事はあるんだ」
鍛冶師「ゆっくり休んで…… ……」
鍛冶師「……」
女剣士「あ、あの……ッ」
鍛冶師「……」
女剣士「……」
鍛冶師「……お休み」スタスタ
女剣士「……」
女剣士(どう、しよう……)ウロウロ
女剣士「……」ウロウロ
女剣士「……ッ」スタスタ
……
………
…………
神父「……神よ」
神父(…… ……どれだけ、祈っても。娼婦さんは戻らない)
神父(死は誰にも平等に訪れる。解ってる……だが)
神父(あんなに、彼女ばかり……ッ)
カチャ……キィ
神父「……?」

54 :
盗賊「ごめん、神父さん……夜遅く」
神父「ああ、盗賊さん……どうしたんです、眠れないのですか?」
鍛冶師「神父さんこそ」
神父「鍛冶師さんも一緒ですか……いえ、そうですね」
神父「街の中とは言え……もう、暗いですから」
神父「どうぞ、中へ」
盗賊「花……片付けちゃったんだな」
神父「ええ。全て……枯れてしまいましたからね」
鍛冶師「僕は、初めて魔王に会ったから、全然知らないんだけど」
鍛冶師「魔族の王、って言ったって……人と変わらないんだね」
神父「私も同じですよ。ですが……想像以上に、普通の少年に見えました」
盗賊「……でも、凄い力を持ってる。転移魔法だとか、色々」
盗賊「そういえば、魔導の街に居る時に……枕とシーツを姫と魔王の姿に」
盗賊「変えたりしてたな」
鍛冶師「……何でもありだな」
神父「移し身……ですか。ええ、本当に…… ……しかし」
盗賊「神父さん?」
神父「……本当に、間近で見ると……不思議な瞳をしてあられた」
盗賊「紫の瞳、か」
神父「……前魔王、も。紫の瞳だったんでしょうか」
鍛冶師「そもそも、紫って……何なんだ?」
盗賊「え?」
鍛冶師「……僕はつい、さ。側近の持ってたボロボロの剣みたいなのばっかり見てたんだけど」
鍛冶師「あれも、紫の色をしてた。あれは多分……魔法剣だ」
盗賊「魔王の剣、かな」
神父「魔王の剣……」
盗賊「……『魔王の全てが揃っていると大丈夫』だとか、なんかさ」
盗賊「使用人が言ってた」
盗賊「魔王自身、目を持ってる側近、で……」
神父「魔王の剣、ですか」
鍛冶師「……じゃあ、間違い無いな、多分」
盗賊「お前は全く……魔法剣の話になると、目の色が変わるんだから」ハァ
鍛冶師「でも、ぼろぼろだった。時間が許すなら、見せて貰いたかった」

55 :
お迎え行って、ケーキ作るわー
又後ほど、来れたらー

56 :
イッテラ━━━━━━ヽ(´∀`ヽ)━━━━━━ン!!!!

57 :
ケーキ食べたいな

58 :
BBA様に触発されてブラウニー作るっ

59 :
なんだかんだしてるとこんな時間だなー
明日は朝から登録行くので、また明日夕方ー
ブラウニー良いなっ
今度Rと作ろう(・ω・)
んじゃ、お風呂とご飯ー

60 :
うはぁ本編も挿絵もいい感じだぞ

61 :
おーはよーぅ。
お出かけしてきます!
また夕方かけたら!

62 :
だんだん、まとまって来てwktkが止まらないけど・・・
今以上に、話膨らまして良いんだぜ?
と言うか、もっと膨らまして下さい、オナシャス

63 :
女剣士・・・

64 :
ただーいま。
今日はチョコケーキ作らされたよ……
毎日ケーキなんて食べたくないwww

65 :
神父「魔王の全て……と、言う事はあの剣も魔王自身、と言う事ですか?」
鍛冶師「さあ、僕にはそこまでは解らない。間近で見た訳でも無いし」
盗賊「でも、魔王の世代交代の時に、剣も継承されるってんなら」
盗賊「やっぱり、魔王の一部、なのかもな」
鍛冶師「……触りたいなぁ」
盗賊「おい……」
鍛冶師「もう今となっては叶わないって解ってるって」
神父「今となっては……ですか。そうですね」
神父「……」
盗賊「あ……それで、さ」
神父「はい?」
盗賊「女剣士、来なかったか?」
神父「いいえ……始まりの街へ行く前にお会いしたきりですね。そういえば……」
盗賊「……宿にも戻ってないみたいで、さ」
鍛冶師「僕はさっき……丁度盗賊とご飯食べる前、かな」
鍛冶師「街の外れで膝抱えて拗ねてるとこ、声かけたんだけどね」
盗賊「……トゲのある言い方やめろって」
鍛冶師「…… ……御免」
神父「気持ちはね。わかりますよ」
盗賊「女剣士の、か?」
神父「……鍛冶師さんの、ですかね」
神父「鍛冶師さんが仰る様に、こうしたい、ああしたい、は皆あったでしょう?」
神父「鍛冶師さんは、剣を見たかったでしょう。魔王や側近さんともお話したかったのでは?」
神父「盗賊さんだって……叶うなら、姫さんとお話したかったでしょう」
盗賊「……それは、まあ」
鍛冶師「……」
神父「少し、ね……子供過ぎると言うか」

66 :
鍛冶師「気持ちは解るんだよ。どうしても、会いたいって」
鍛冶師「色々話も聞いたしさ……でも」
鍛冶師「……ね」
盗賊「……ちょっと、言い過ぎたかな、て」
神父「……」
盗賊「皆がいい加減にしろよって思ったと思うんだけどさ」
盗賊「……寄ってたかって責めたみたいで、な」
鍛冶師「でも仕方無いよ。こればっかりはさ……」
神父「確かに、褒められた態度ではありませんでしたからね」
盗賊「魔王と姫には……もう、会えないんだろうな」
盗賊「側近と使用人にも……もう……」
神父「本当に……こればっかりは、願えば叶うとは言えないかもしれませんね」
神父「こちらからの連絡手段はありませんし……まさか」
神父「魔王の城まで行く訳にも、ね。でも……」
神父「……これが、そもそも本来なのでしょう」
鍛冶師「……」
盗賊「……本来、か」
神父「側近さんと使用人さんの話を全て信じる、との前提ですが」
神父「……真実ならば、世界は救われた、のですよ」
盗賊「……」
鍛冶師「……」

67 :
神父「交わるべきで無いとは……言いません」
神父「ですが……魔王が望んだと言う、徹底的な不干渉……」
神父「それが、双方にとって良い結果になるのでは無いでしょうか、ね」
盗賊「力を持った魔族ってさ。結局……みんないなくなちゃったんだよな」
盗賊「過激派……魔王に反旗翻した奴らも、魔王自身も」
神父「魔物が居なくなるのかどうかは解りませんが……」
鍛冶師「……もし、そうなったら、武器も魔法もいらない世界になるのかな」
鍛冶師「そうなったら……」
盗賊「……魔法剣も無くなる、とか言いたいんだろ」ハァ
鍛冶師「既に失われた技術に近いんだよ、今でさえ」フゥ
神父「…… ……」
盗賊「神父さん?」
神父「え? ……ああ、いえ。何でもありませんよ」
神父「所で、何かご用事があった訳ではないのですか?」
鍛冶師「あ、すみません……神父さんも休まないと、だよね」
神父「ああ、いえいえ。追い返すつもりで言ったのではありませんよ」
神父「すみません……こうして、お話に来て下さっただけでも、ありがたいのです」
神父「……私も、今日はあまり、眠れそうにありませんしね」

68 :
盗賊「……その、さ」
神父「はい?」
盗賊「……」
鍛冶師「盗賊」
神父「? どうしました?」
盗賊「えっと……」
鍛冶師「あー……僕が言おうか?」
盗賊「……」
鍛冶師「えっとね。まだ随分先の話になると思うんだけど」
神父「はい?」
鍛冶師「……僕たち、始まりの街に引っ越そうかと思って」
神父「え……?」
鍛冶師「勿論、やめるかもしれない、話なんだけど」
盗賊「でも……ほら、さ。娼婦可哀想じゃん」
盗賊「……知人の墓もある。ちょっと位さ……傍に、居たいって言うか」
神父「は、はあ……」
鍛冶師「そもそもは船長から持ちかけられた話なんだ」
鍛冶師「港街の町長を選出して、盗賊も手が掛からなくなったら、だけど」
鍛冶師「……お前達、一緒に始まりの街へ行かないか、てね」
神父「あちらも……街として機能させる、と言う事ですか?」
神父「私は……あのお墓のあるところまでしか行ってませんが」
神父「廃墟がある事は……知っています」
盗賊「ああ。俺もついこの間、鍛冶師から……その話を聞いたんだ」
盗賊「向こうに行かないか、てな」
鍛冶師「ここが大きくなれば、どうしても住居は足りなくなるし、てね」
神父「ふむ……」

69 :
鍛冶師「さっきも言ったけど、勿論すぐに、なんて無理だ」
鍛冶師「何年も……ひょっとすれば、10年近く掛かるかも知れない」
鍛冶師「でも、何れ……盗賊も、考えてくれるって言ってくれたんだ」
盗賊「勿論、俺も鍛冶師も、港街は好きだ。だけど……さ」
盗賊「……あの墓の周辺は、手入れなんてしなくても花も枯れなかった」
盗賊「だけど、姫にエルフの加護を渡してしまったから、さ」
神父「成る程……ですが、私の許可を取る様な話ではないでしょう?」
鍛冶師「そういうつもりではないよ。相談、かな」
神父「……そうですか。正直、今は感傷的な部分も多いかと思います」
神父「ですが……良い事だと、思いますよ」
神父「すぐでは無いとはいえ……寂しくはなりますがね」
盗賊「神父さん……」
神父「……何時までも、この街も盗賊さんにおんぶに抱っこでは、ね」
神父「私も……一人になりましたし」
鍛冶師「……」
神父「頑張らねばなりませんね。何時までも……引きずっていては」
神父「怒られてしまいます。船長さんも旅立たれました」
盗賊「……船長は、娼婦の事が好きだった、んだ……よ、な?」
神父「どうでしょうね……本人の口から何か聞いた訳ではありませんから」
鍛冶師「思い通りには行かないよね。『願えば叶う』なんて」
鍛冶師「……魔王ぐらい、力があればこその呪文なんだろうな」
神父「……」
盗賊「……地道に、少しずつ、さ。努力してこそ、なんだよ」
盗賊「夢を叶える、てのは……さ」

70 :
鍛冶師「……盗賊、そろそろ」
盗賊「あ……そうだな。御免、神父さん」
神父「いえいえ……ありがとうございました」
神父「お疲れでしょう。ゆっくり……身体を休めてください」
神父「『日常』は待ってはくれませんからね」
盗賊「ああ……じゃあ、おやすみ。ありがとう」
鍛冶師「また明日、神父さん」
スタスタ……パタン
神父「……おやすみなさい」
神父「…… ……」スタスタ コンコン
ガサ……
神父「……」キィ
神父「窓に影が映ってましたよ。そんな所に隠れてないで、入っていらっしゃい」
神父「ああ……扉からお願いしますよ?」パタン
カチャ
神父「突貫工事なのは否めませんからね。お話の内容、聞こえていらっしゃいましたか」
女剣士「…… ……」パタン
神父「どうぞ、こちらへ……女剣士さん。そんな所に立ってないで」
神父「……随分、目が腫れてしまっています。別嬪さんが台無しですよ」

71 :
お風呂とご飯!

72 :
女剣士かわゆす(´・ω・`)
いてらー!

73 :
女剣士、惚れた相手と状況が悪過ぎたな……
青いだけで良い子だろうとは思うんだが。

74 :
側近以外みんな結構イヤな性格してるよな

75 :
ガキなだけなのはわかるんだけど女剣士くっそうぜえwwww
ここからの挽回に期待

76 :
イヤな性格っていうか書いとるBBAがひねくれとるからキャラもアホなんやろな
全員が素直なのがいいとは言わんが頭悪い奴が多すぎ

77 :
余裕が無いと他人を理解するのもままならないんだよね
その辺り良くかけてると思う

78 :
キャラの性格に振り回されてるって事は、BBAが「やる」って事だよ?
つーか、今時、べっぴんさんは無いだろw

79 :
>>78
神父が高齢っぽいからいいんじゃない?

80 :
関西ではわりと使うが
べっぴんさん

81 :
教会の聖堂の隅に申し訳程度におかれた手作りのテーブル
静粛に佇む三人が感傷を払拭するかのように語る
むしろ女剣士の我儘のおかげで各々が冷静でいられた事にやわら気づきつつ
各々思いを胸に新たな未来へと翼を拡げ始める

82 :
おはよーう!
明日から五連勤フルタイム!
R放り込んだら少しだけ時間あったらー
駄目なら夕方来るよ
べっぴんさん、割とよく言うんだけどね(笑)
んじゃ後程!

83 :
俺もべっぴんさんは使うなぁ

84 :
女剣士「……」
神父「何か用事があったのでは無いんですか?」
女剣士「……」
神父「……」フゥ
女剣士「……御免、なさい」
神父「何を謝るのです?」
女剣士「え?」
神父「何に対してご免なさい、なんですか?」
女剣士「え……」
神父「悪い事をしたと思っていらっしゃるのでしょう……それはね、解りますよ」
神父「でも、ね。取りあえず『ご免なさい』だけを言われても。貴女が何について」
神父「悪いと思っていらっしゃるのか、解らない、でしょう」
神父「……その謝罪の相手が、私で良いのかどうかも、ね」
女剣士「……鍛冶師にも言われた。謝るのは……僕にじゃないだろうって」
神父「……で、取りあえず私に謝ってみた、んですか?」
女剣士「そ、そんなんじゃない!」
神父「では、何故私にご免なさいを言うのです?」
女剣士「…… ……」
神父「……」フゥ
神父「適当にお座りなさい。ずっと外に居たのでしょう」
神父「……お茶を、入れましょう」スタスタ。カチャカチャ

85 :
女剣士「……」
神父「どうぞ……暖まります。気分も落ち着くでしょう」
女剣士「ありがとう……」
神父「……」
女剣士「……」
神父「……お話があったのでは無いのですか?」
女剣士「……」
神父「……」フゥ
女剣士「……迷惑かけたな、とは……思ってる、んだ」
神父「申し訳ないと言う気持ちがあるのはね、わかります」
神父「謝罪を口にする事で、貴女の気持ちは確かに楽になるでしょうしね」
神父「……良いですよ、と。許して欲しいと言う気持ちも痛い程解りますよ」
神父「ですが……中身が伴っていないと、意味が無いでしょう?」
女剣士「……」
神父「話したいと言うのであれば、お聞きしますよ」
女剣士「神父さん……」
神父「……眠れないのでしょう?」
女剣士「あ……ありがとう……!」
神父「神は全て、受け止めて下さいますよ」
女剣士「許して……くれるのか?」
神父「……私は聖職者です。神ではありませんよ」
女剣士「……」
神父「ですが……話してしまって、すっきりした後は……貴女次第ですよ、女剣士さん」
女剣士「…… ……そ、そう……だよな」
神父「……」

86 :
女剣士「…… ……」
神父「……」
女剣士「いざ、ってなると……何言って良いか、解らないな」
神父「……ゆっくりで良いのですよ」
神父「ちゃんと、聞いています。ですから……私の顔色など伺わず」
神父「……何でも、思う事をお言いなさい」
女剣士「あ…… ……う、うん」
女剣士「……北の街は、頻繁に魔物に襲われてた」
女剣士「街の人は根本的な解決を望んでたけど……アタシは」
女剣士「アタシは、その……」
神父「……」
女剣士「……アタシが、いるから。ちゃんと追い払ってやるからって」
女剣士「率先して街を守ってたんだ。皆感謝してくれてたよ」
女剣士「お前が居てくれるからって、さ」
女剣士「……側近が街に来た時、丁度蝙蝠の群れが街に来て」
女剣士「追い払うのを手伝ってくれた」
女剣士「……親父は町長なんだが、側近ならやれるだろうって」
女剣士「船を貸すって言ったんだ。側近は街の北にある塔に行きたがってたから」
神父「……」
女剣士「北の塔には魔物なんて居なかった」
女剣士「なんかの魔法が掛かってたらしいけど……側近も解らないって言ってたけど」
女剣士「……アタシは、安心したんだ」
女剣士「今までと、変わらない。アタシは……変わらず、街の人に」
女剣士「必要と、されるんだ……って……」
神父「……」

87 :
お買い物行ってR拾って
飯食ってお出かけしてきます!
また夕方帰ったらー!

88 :
べっぴん使うね、関西のそこそこ歳のいってる人ww
楽しみに待ってるよ、べっぴんBBA

89 :
道徳の時間ですね

90 :
国語の時間だろう?
なにげにBBAの日本語は、○○○には無い物を感じるね。

91 :
女剣士「……ほっとした様に見えた、のかな」
女剣士「側近には、そんな様な事……言われた」
女剣士「側近は……アタシを責めなかった。興味が無かっただけかもしれないけど」
神父「……」
女剣士「アタシ達は塔を出て、街に戻った。そうしたら親父が……」
女剣士「…… ……」
神父「……」
女剣士「……アタシと結婚して街を守らないか、なんてさ」
女剣士「側近はやんわりだけど断った。主がいるからって」
女剣士「……まさか魔王だとは思わなかったけどさ」
女剣士「親父は行きたいなら行けば良いって言ったんだ」
女剣士「お前にばかり任せてた。だから……街は、俺たちが頑張るからって」
女剣士「それで、居ても立ってもいれなくて飛び出した。結局……さっき迄会えなかったけど」
神父「……」
女剣士「……だから。使用人から聞いて、解って……解って、るつもりだったんだ!」
女剣士「でも……!!」
女剣士「……断られたのはショックだった。だけど、後から、あいつが魔族だって聞いて」
女剣士「『結婚して一緒に村を守る』のは無理でも、『アタシを否定した』訳じゃ無いって思ったら」
女剣士「……ッ それに、あの時……あの、チャンス逃したら、もう会えないかもって、思ったら……!」

92 :
神父「……」
女剣士「……」グスッ
神父「……お話は、以上ですか?」
女剣士「…… ……」
神父「……」フゥ
神父「主よ、神よ……愚かなる人の子を許し給え……」
女剣士「……」ゴシゴシ
神父「……少し、楽になりましたか?」
女剣士「……う、ん」
神父「先にも言いましたが……私は、神ではありません」
神父「ですから、これは……私の意見、になりますが」
神父「少なくとも、謝るのは私ではありませんよね?勿論、鍛冶師さんでも」
女剣士「……」コク
神父「貴女は……まだ、子供なのでしょう。普段はそうでは無いのかも知れませんが」
神父「こんな……特殊な状態、特殊な相手、ですから」
神父「我慢が効かなかったのだろうと想像はつきます……ですが」
神父「話してしまったから。聞いて貰ったから。反省したから……と」
神父「誰も、無かった事にはしてくれません」
女剣士「……そ……ッ ……う、ん。そう、だよな……」
神父「お父様の言葉や、状況に流され、煽られてしまったのでしょうね」
神父「……正直、貴女のその側近さんに対する気持ちが恋なのかどうかも判断が付きかねますよ」
女剣士「! 神父さん……ッ」
神父「勿論、それを判断するのは私ではありません。ですが、ね」
神父「もう一度、良く考えて見られるのも……」
女剣士「あ、アタシは、本当に……!」
神父「……強制等はしませんよ。ですが、貴女はまだ若い……いいえ、幼い。とても」
神父「それに、相手が相手です。魔族……生きてる世界が違うどころか」
神父「……もう、会うことすら叶わないでしょう」

93 :
女剣士「……ッ ね、願えば、叶う! ……ん、だろう!?」
神父「それは……私に尋ねられても、お答えしかねますよ、女剣士さん」
女剣士「……そ……ん、なぁ……」ヘタヘタ……ペタ
神父「…… ……」
神父「忘れなさい、と……言うのは簡単です……です、が」
神父「……すぐに叶えられるものでは無いでしょう、が……これ、ばっかりは」
女剣士「……なんで、だよ……何時も、何時も……願えば叶うとか、言っておいて」
女剣士「アタシには、何で、そんな……!」
神父「……では、どうやって逢いに行くのです?」
神父「船長さんも居ません。連絡手段もありません」
神父「……それに、魔王は眠ると言っていた。全てが揃っていれば大丈夫、とも」
女剣士「す、べて」
神父「そうです。魔王自身、魔王の剣……そして、魔王の目を持つ側近さん」
女剣士「!!」
神父「……今すぐにとは言いません。諦めなさい、女剣士さん」
神父「それもこれも、全てを含め……これから、誰に何を伝えどうしていくのか」
神父「……お考えになると、良い」
女剣士「…… ……」ポロポロポロ
神父「具体的には、一つだけ。 ……盗賊さんが、心配していました」
神父「貴女の姿が、宿屋にも無い、とね……ですから、まず」
神父「先ほどの『御免なさい』は……盗賊さんに、言うべきでしょう?」
女剣士「……う、ぅ……あ、 ……ッ ああァ……ッ」ポロポロポロ
神父「泣いて良いんですよ、女剣士さん。ですが……」
神父「……何れ、泣き止んでください。人は……何時までも泣いてばかりはいられないんです」
神父「こればかりは……仕方無いんです」
女剣士「…… ……」ヒック、ヒック
神父「何れ、感傷は風化する……記憶は、忘却するのです」
神父「……覚えておいて、ください」

94 :
お風呂とご飯!
明日から暫くフルタイム勤務なので
また通勤時間中とかにかけたら!

95 :
無理すんなよ♪

96 :
やっぱりこの神父好きになれん、
なんとなく感じ悪いんだよなぁ

97 :
正論だからこそ言葉は選んで貰いたいね。
二人の会話だと側近まで封印されたみたいな扱いだけど、
確かに外に残ってる方がおかしいんだよな……(´;ω;`)

98 :
正直本にしてほちい

99 :
側近も封印されていないという事実を街のみんなはまだ知らないからな
しかし女剣士のウザさゆえ神父さんも人間らしさを出してしまってるんじゃないだろうか

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